2023年11月1日
合同会社AKJ(旧称 合同会社KYH)
廃棄されるカーボンファイバーを原材料にした、アップサイクル(Upcycle) の手銛を開発・製造しています。確かな工学技術に基づいた商品開発により、新規に生産されたカーボンファイバー製の手銛と比べ、勝るとも劣らない性能を持ちつつ、環境性とデザイン性に優れた手銛を提供しています。
手銛の製造は元来、職人の経験や勘によって為されることが多かった分野ですが、私たちは科学的検証を重視した商品開発に取り組んでいます。流体力学や材料力学、さらには魚類の生態などの科学的知見に基づき、商品性能の検証方法や試験装置の開発、適切な試験方法とデータの取り扱い方などの確立に取り組んできました。これらの独自技術に基づき、先人たちの残した偉大な手仕事の数々の工学的視点からの再考察や、様々な開発試験から得られた豊富なデータをベースにした、科学的根拠に基づいた商品開発を行っています。
カーボンファイバー(CFRP)を用いた製品は毎年大量に生産されていますが、消費後はその大部分が埋め立て処理されています。CFRPは高性能である反面、製造に多量のエネルギーが必要かつ自然環境下で分解しにくいため、環境負荷が大きい素材でもあります。私たちは廃棄されるCFRPを銛としてアップサイクル(Upcycling)することで、CFRPの消費寿命を延ばし、地球環境への負荷低減に挑戦しています。また商品パッケージ全体での環境負荷の低減を目指し、主製品である銛だけではなく、その付属品である保護バッグも廃棄される自転車チューブをアップサイクルして使用しています。
私たちの製品は、その製造の多くの部分を障がいを持ったメンバーが担っています。 工具や工程など様々な工夫を積み重ねることで担当範囲の拡大に繋げています。 私たちはとても小さな集団ですが、多様性(divercity)を重視しています。このような工夫が自分たちの多様性の向上に繋がると信じて取り組んでいます。今後、どのようにして多様性を高めていくかが、私たちの大きな課題だと考えています。社会や企業といった、何らかの集団の豊かさや持続性を考えたとき、それを推し量る指標を多様性以外に、少なくとも私たちには挙げることができませんでした。つまるところ、多様性の追求は私たちの小さな会社にとって、必然なものだと考えています。
この会社は、製造業に携わってきた技術者数人が集まり作ったとても小さな会社です。
私たちの周りには処分に困るほど“もの”が溢れています。
それでも、日々と新たな商品が表れ、消えていく。
それらは私たちが生きるために必要な“もの”なのだろうか?
消費するため、消費させるための“もの”ではないだろうか?
私たちが生きている社会が、大量生産・大量消費を前提として成り立っているのだから、
それは仕方がないことなのだろうか?
これまで製造業に携わることで生活のためのお金を得てきた人間にとって、この問いは日々、常に付きまとう問いでした。
しかし、この ”仕方がないこと” の代償は余りにも大きくはないでしょうか?
次々と消費されていくこの惑星の資源、
大量に埋め立て処分をされる環境に還らない物質、
戻ることのない自然環境、
そして失われていく“もの”を長く使うことを前提にしてきた技術と文化。
そのいずれもが、やがては自分や、未来の世代に返ってきてしまうものではないか。
塩や海産物を通して、人類の体内からマイクロプラスチックが検出されているというニュースは象徴的ですらありました。
果たして私たちはこんなことをいつまで続けられるのでしょうか?
このような疑念を持って集まった、これまで製造業で糧を得てきた私たちが共通して考えたことは、
大量生産・大量消費の当事者であり、この枠組みの担い手である、製造業の技術者こそ、この疑念に対して行動を起こす責任があるのではないか、という事でした。
その結果生まれた私たちのささやかな挑戦が、この会社です。
大量生産・大量消費に対する一つの姿勢として、私たちはCFRPの消費寿命を低減させるアップサイクル手銛を開発しました。製造工程や包装、修理サービスなども含め、商品サイクル全体で環境負荷を低減させる取り組みを行っています。
取り組むべき問題に対して、私たちの試みは余りにもちっぽけです。
自己満足との誹りを受けるかもしれません。
しかし挑戦はスタートしたばかりです。
個々の認識とささやかな行動の積み重ねこそが、現状を変えていけると信じて、
新たな技術の追及に努めながら、私たちは小さな歩みを続けていきたいと考えています。
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